2022年度の展望
「ウイズコロナの社会&デジタル介護」
昨年度、千鳥会が30周年の節目を迎えましたが、COVIT-19のお陰でその記念の行事等も一切行うことが出来ませんでした。しかしながら、ここまで来られたのは、偏に地域住民の御支援と、職員の皆さんの努力と協力のお陰であることに変わりはないです。紙面ではありますが心より御礼申し上げます。有難うございました。さてまず初めに、2021年度の展望を振り返ってみますと、東京オリンピックの開催が危ぶまれていたことを述べましたが、見事に開催されました。これは日本だからこそ開催できたものと思われます。さらに年度末の2月には北京で冬季オリンピックが厳密な感染予防対策のもと開催され、日本人の連日の活躍も報道され、また新たな感動を受けたことも思い出されます。コロナ禍での様々な苦悩が有りましたが、世界中のアスリートたちの活躍が、明るいニュースソースとして前向きに受け止められたことも事実だと思います。
さて、今年度は世界がどんな方向に向かって進んでいくのでしょうか。冬季オリンピック終了間際からウクライナ情勢が劇的に変化し、ロシア軍の戦略的侵攻が開始されました。もはや戦争としか言いようがない状況ですが、このような緊迫感のある現状が今も継続されています。そして世界中がその動向を注視している最中でもあり、今年の最大関心事になることは間違いないでしょう。一日も早い平和的解決がなされることを祈らずにはおられません。
しかしながら、そんな中ではありますが、一方ではコロナ撲滅への第一歩が刻まれることへの期待感もあると思われます。一気に収束の道は訪れなくても、ウイズコロナへのシフトチェンジは確実に訪れるものと思われます。世界中の有識者が知恵を絞って、以前のような日常生活を取り戻して、新たな世界平和への道を模索するきっかけを作ってほしいものですね。いづれにしても、COVIT-19に関しては新たなワクチン開発や治療薬などか開発されて、明るい兆しが見えて来るものと信じています。それまで注意深く観察しながら共々に頑張りましょう。
ところで。昨年度の展望の中で、私はこれからの社会はZ世代が作っていくことを予想しましたが、最近の報道等も見ていると、頻繁にZ世代というキーワードが使われるようになってきたように思います。少なくとも、「当たらずとも遠からず」なのでしょうね。これも注意深く見守る必要があると思われます。
ところで、我々の介護業界にも新たな変化が生まれ、「デジタル介護」なる言葉もよく耳にする機会が増えました。これからの社会を推進する機能の一つとして「ICT」がその一役を担うことが注目されています。「ICT」とは、「Information and Communication Technology」の略で、情報通信技術を意味し、PCだけでなくスマートフォンやスマートスピーカーなど、様々な形状のコンピューターを使った情報処理や通信技術の総称です。ICTは、ITに「Communication(通信、伝達)」という言葉が入っていて、ITよりも通信によるコミュニケーションの重要性を強調しています。よって同じ意味合いでも、ITはハードウェアやソフトウェア、インフラなどコンピューター関連の技術そのものを指し、ICTは情報伝達を重視し、医療や教育などへの活用方法を目指しています。このことは省庁でも使い分けがあり、経済産業省では通信技術そのものを扱うため「IT」を使い、総務省では情報通信産業を扱うことが多いので、「ICT」を使っているそうです。国際的にはITよりもICTが普及していることから、日本でも世界基準に合わせるために、公共事業や地域活性化などの各分野でICTを活用するための様々な計画が立てられているようです。例えば教育現場では、PCやタブレットなどが活用されているし、介護分野では高齢者見守りシステムなどが普及しつつあるのがそうです。さらに総務省が取り組んでいる、地域活性化や、サイバーセキュリティ、医療・福祉・介護、教育・人材、防災等々様々な分野での活用が期待され推進されています。このようにこれからの社会は、情報を受け取るだけでなく、誰もが情報を発信し、積極的にインターネットを活用する時代だといえます。それゆえユーザー側もICT、IT、IoTの意味やインターネット、セキュリティについてもある程度の知識を持つことが求められていると言えます。その流れの中から、「デジタル介護」なる言葉も生まれました。介護業界の人手不足も拍車をかけ、介護ロボットなる機械類を屈指したり、見守りセンサーやペーパーレス化を促進させるIT端末機器の活用で簡素化を図ったりと、あらゆる現場サイドでのICT化を構築する介護事業所が増えてきていると言えます。効率化や簡素化や安全確保といったものを担保し、時代の最先端の技術を活用した介護現場が増えていくことが予想されます。法律や条例等の制約に若干縛られてはいますが、時代を先取りした最先端の技術や技法を屈指して、人手不足を補って余りあるような介護現場が訪れることを祈っていますし、我々もそういったデジタル介護環境を適切に取り入れて、その恩恵を受け止めながら利用者本位の介護を目指していきたいと思っています。ご協力よろしくお願いいたします。
社会福祉法人 千鳥会
理事長 吉村 秀樹